2011年7月15日金曜日

SRIスポーツ社長野尻恭氏―欧米・中国、果敢にアプローチ

 《抱負》「住友ゴム工業で海外駐在が長く、中国では駐在した5年間に売上高を5倍に引き上げた。課題はグローバル展開で、2015年までの早い段階に、海外売上高比率を現在の35%から50%以上にするのが目標だ」
 「足がかりとなるのが北米と欧州市場。北米のゴルフボール市場のシェアは6%程度。『スリクソン』ブランドで展開しているが、07年に買収したゴルフクラブ『クリーブランドゴルフ』の販売網を活用する。シェアを毎期1%伸ばし、早期に2ケタに乗せ、最大手の『タイトリスト』の牙城を切り崩す。欧州市場は英国以外の地域がまだ小さく、販売の強化で伸ばす」
 「圧倒的な市場の伸びが期待できるのは中国だ。ゴルフ場の数は日本の約2400に対し、中国は500程度。プレー代も高く、ゴルファーも少ない。ぜいたくなスポーツという見方だが、五輪の正式種目になる16年にはそうした認識が見直されるだろう。トーナメントへの協賛などを通じて知名度を高める」
 「海外事業を最も理解しているのは現場だ。7月から日本事業部と北米・欧・豪事業部、アジア地域事業部を新設したのもそうした背景がある。担当者を増員し、権限を与え、各地域のシェアを引き上げていく」
 「国内はトップブランドのゴルフクラブ『ゼクシオ』があり、現在の地位を維持していく。モデルチェンジを控えた今春に、相次ぎ他社が新ブランドを立ち上げ、追撃してきた。次世代のゼクシオは、さらに優れた製品に仕上げる」
 「東日本大震災の影響でゴルフ用品市場は厳しいが、秋口には回復するだろう。ただバブル崩壊以降、市場は年々縮小。高齢化という構造的な問題もあるが、減少カーブが緩やかになるように、女性ゴルファーの取り込みやトーナメントの運営を継続し、業界を盛り上げていく」
 《趣味》「東工大硬式野球部の主将だったが、入社後に独身寮の仲間とマラソンを始めた。今でもハーフマラソンを1時間40分台で走る。休日も走りたいが、社長に就任して満足に走れないのが悩み。ゴルフのハンディキャップは24。上手な社員が多いので、教わってうまくなりたい」

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