日本経済新聞社が14日まとめた「社長100人アンケート」で、エネルギー政策について聞いたところ、経営者が優先すべきとした課題は、短期と中長期で明確に分かれた。当面の課題では7割超が「原子力発電所の稼働継続」をあげる一方、中長期では同じく7割超が「再生可能エネルギーの導入加速」を求めた。足元の電力不足の懸念も直視して計画的にエネルギー政策を立てるよう望む声が強い。(1面参照) エネルギー政策で当面(今後2~3年以内)優先すべき課題(2つまで回答)については、「原子力発電所の安全性の基準を明確にし、丁寧に説明して稼働を継続」が72・9%と最も多く、「天然ガスなどによる火力発電の拡大」が52・9%と半数を超えて続いた。 「原子力発電を段階的に縮小しつつ、再生可能エネルギーが代替可能となるように環境整備を急ぐべきだ」(武田薬品工業の長谷川閑史社長)など、産業空洞化の回避へ、まずは電力の安定供給を求める経営者が多い。 一方、中長期(2020~30年ごろ)の優先課題(2つまで)を聞くと、「太陽光発電など新エネルギー(再生可能エネルギー)導入の加速」が75・0%に達した。続くのは「スマートグリッド(次世代送電網)普及の加速」で48・6%。「原発稼働の継続」は10・0%だった。 原発の定期検査後の再稼働を巡って菅直人首相が唐突にストレステスト(耐性調査)を実施する方針を示すなど、政府のエネルギー政策は混乱がみられる。経営者は「安全に配慮しつつ、安定したエネルギー供給が可能となる総合的な政策」(鉄道会社トップ)など、場当たり的でない幅広い視野での政策立案を切望している。 |
2011年7月15日金曜日
エネルギー政策―当面は「原発継続」72%
ラベル:
社長100人アンケート
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