2011年7月15日金曜日

今年度の経営課題、「海外事業の拡大」7割。

 日本経済新聞社がまとめた社長100人アンケートでは、今年度の主な経営課題として「新興国など海外事業」を挙げる経営者が7割強に達した。これに「新規の製品・サービス分野の開拓」の6割が続いた。企業は東日本大震災からの拠点の復旧にほぼめどを付け、攻めの姿勢を強めているようだ。(集計結果と回答者一覧を18面に)
 主要企業の社長(会長、頭取なども含む)を対象に140社から回答を得て14日にまとめた。
 今年度の経営課題(3つまで回答)では「新興国など海外事業の拡大」が72・9%でトップ。2位は「新規の製品やサービス分野の開拓の強化」の60・7%で、この2つが他を大きく上回った。
 「国内生産・販売体制の復旧・強化」「災害などリスク対応力の強化」は、いずれも12・1%にとどまった。震災後の復旧やリスク対策は経営課題としては一段落しつつあるようだ。
 「人材育成・雇用の維持」が22・9%と、「人員や設備などのコスト削減」(11・4%)を上回った。攻めの経営のためにも雇用を改めて重視し、新分野開拓などを支える人材を育てようとする考えがうかがえる。
 国内景気の回復条件(3つまで)として「電力不足解消への見通しが立つこと」(64・2%)、「世界経済の堅調な推移」(54・7%)を挙げる回答も多かった。菅政権のエネルギー政策の迷走が続いて電力不足の懸念が長引いたり、米国の景気回復や中国の経済成長に変調の動きが広がったりすれば、経営者の意欲に水を差す恐れもある。

0 件のコメント:

コメントを投稿