2011年7月15日金曜日

京阪電鉄不動産受注事業部蘆田圭介氏――定額制のリフォームプラン

「理想の住空間」実現に走る
 京阪電鉄不動産は7月、同社として初めてのリフォームセンターを京都府八幡市に開設した。料金体系が明確な定額制を前面に打ち出し、スペースにゆとりを持たせた展示場で、理想の住空間を体感してもらう仕掛け。プロジェクトを引っ張るのは、入社間もない受注事業部の蘆田圭介(39)だ。理想のリフォームを求め職場を移ってきた蘆田のこだわりが詰まる。
 同社が打ち出した定額制のリフォームプラン「K―PAC」は、あらかじめ設定した坪(3・3平方メートル)単価に施工面積を乗じて施工費を算出する。分かりやすい料金体系が「不安を抱えながら入店してきた顧客の緊張感を解きほぐす」。
 蘆田はマンションデベロッパーで設計の仕事を経てから、住宅リフォームの専業大手で営業現場を歩んできた。そこでは違和感を覚えることもしばしばあった。自分の成績を上げるため必要でない高額品を顧客に販売する営業担当者などもいて、これでいいのかと思うこともあった。
 1級建築士の資格を持ち、「住まいのプロ」を自負する蘆田。商品性能に疎いのに営業の第一線に大量の人員を送り込む大手の手法に嫌気も差していた。そんな時、新たにリフォームセンターを立ち上げるという京阪電鉄不動産から誘いを受けた。業界のしがらみにとらわれず「理想を実現するチャンスかもしれない」と意を決した。今年4月に入社。開業までわずか残り3カ月の日々を全力で駆けた。
 リフォームセンターのなかで蘆田らがこだわったものの1つは、打ち合わせや資金相談会、セミナーなど様々な用途を想定したイベントスペースだ。モデルルームと同等の面積を割いてでも「ゆとりを持って理想の我が家について話してもらい『リフォームをしてみたい』と思ってもらえるようにしたかった」。そんな蘆田の上司にあたるマネジャーの菊本雅幸(41)は「経験が豊富なだけでなく、信念を持って仕事に取り組んでいる」と温かく見守る。
 親会社の京阪電気鉄道は1968年に「くずはローズタウン」(大阪府枚方市・京都府八幡市)、92年には「京阪東ローズタウン」(京都府京田辺市・八幡市)を分譲した。リフォームセンターにほど近いニュータウンもリフォームの適齢期にあたるだけに、商機はある。新天地で走り始めたばかりだが、日々の営業現場の中で理想を実現させたいと考えている。

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