2011年6月25日土曜日

全日空・森本副社長に聞く、787で長距離国際線、燃費改善でコストも削減。

 全日本空輸が購入した米ボーイングの次期主力中型旅客機「787」の1号機が7月3日、日本に到着する。機体の35%を三菱重工業など日本企業が担当するものの開発中のトラブルなどで納入が遅れた787を、全日空は世界に先駆けて今秋から国内線に投入する。パリ国際航空ショーで787公開式典に臨んだ森本光雄副社長(オペレーション部門統括)=写真=に導入の狙いなどを聞いた。
 ――787納入は大幅に遅れたが、不安はないか。
 「開発が遅れたことは残念だが、無理して不完全な機体を引き渡されては困る。ボーイングと整備面などで十分な確認作業をしており心配していない。むしろ当社がこの飛行機を効率的に活用するかが課題だ」
 ――導入の利点は。
 「中型機で長距離路線が展開できる。従来の中型機では日本からインドまでの距離が限界だったが、787では米国の東海岸や欧州といった長距離路線が可能になる。国際線の新たな事業戦略を構築できる」
 ――業績貢献度は。
 「燃費は従来の中型機に比べ2割程度抑えられる。国際線の新路線展開とコスト削減を同時にでき経営に与える影響は大きい」
 ――今後、どの路線に活用していくのか。
 「現在、最終の検討段階だ。初めての機体なので、まず国内でオペレーションをできる人材を早期に育てて、次に国際線に出て行く。787を使う長距離の国際路線は羽田空港の活用も検討している」
 ――三菱重工業など日本企業が787の重要部品を担当した。
 「787の開発、製造にに参加しノウハウを蓄積することは日本の航空機産業にプラスになると思う」

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