2011年6月25日土曜日

アジア観光客呼び込む、ホテルオークラ荻田社長に聞く――海外営業拠点見直し。

北京など新規開設
 東日本大震災の影響で観光客の減少に苦しむホテル業界。北海道は近年アジア客の獲得にシフトしていたため、落ち込みが目立つ。札幌をはじめ、世界に拠点を持つホテルオークラの荻田敏宏社長に今後の対応策を聞いた。(聞き手は阿曽村雄太)
 ――震災の影響はどれくらいあるのか。
 「東京の旗艦施設は3月の震災以降に売上高が半減した。ただ4月は前年同月と比べて4割減、5月は3割減、6月は株主総会が集中したこともあり前年並みまで回復した。今年度の通期では1割減になるだろう。札幌はマーケットの2~3割を台湾、香港、中国人が占め、震災でそれが無くなったのだから影響は大きい。本格的な回復は夏以降と見ているが、前年の6割程度にとどまるのではないか」
 ――外国人観光客に再び来てもらうには。
 「外国人客の減少は一時的だ。現在、海外営業拠点の見直しを進めており、ロンドン、パリ、独フランクフルトに事務所を設けた。今後はモスクワ、北京、シドニー、シンガポールにも開設する計画で、アジアから北海道への送客を強化する。昨年までは拠点が少ないため、東京と京都のホテルしか営業ができていなかった」
 ――昨年傘下に収めたJALホテルズとの相乗効果は。
 「ホテルチェーン全体では営業面で協力体制を構築したい。オークラが27万人、JALホテルズが8万人いる会員を活用して、相互送客を進める。出店時でも不動産オーナーに『オークラ』『オークラフロンティア』『日航』『JALシティ』の4ブランドを提案できる強みがある」
 「北海道では、ホテルオークラ札幌と、JRタワーホテル日航札幌、ホテル日航ノースランド帯広との連携体制を強化したい。3月は、地下通路の開通に合わせて、札幌の2施設のレストランが共同で販売促進に取り組んだ。オークラの営業担当者が日航の客室を販売してもいい。共同仕入れをすればコスト削減につながる。こうした機能統合を進めていきたい」
 ――札幌や福岡などは1都市に2つのホテルがある。不採算施設の見直しはしないのか。
 「ホテルオークラ札幌の撤退はしない。オークラ札幌は年14~15億円の売り上げで採算ベースに乗る計算だ。今年度は震災の影響で13億円程度になる見通しだが、グループ内でカバーできる。ホテルチェーンを維持する上で5大都市にオークラブランドのホテルがあることが重要で、ある程度採算に乗っていれば問題ない」
 「オークラ札幌の建て替えや改装など施設面の見直しはまだ先だ。2003年の買収時に大規模改装を実施した。ホテルの改装時期は15年単位のため、当面は古くなったカーペットの交換など小規模の修繕が中心になるだろう」

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