浜松ホトニクスは液晶や半導体の生産工程で発生する静電気を除去する装置「フォトイオンバー」を開発した。微弱なエックス線を対象物に照射し「光電離」という作用で瞬時に除去する仕組み。従来製品より設計などを大幅に見直し、価格を一般に普及しているコロナ放電を活用した装置と同等にした。
エックス線照射方式の装置は頑強な遮蔽構造が必要で、量産が難しかった。さらに環境負荷物質のベリリウムも使用しており、使い勝手が悪かった。今回、同社はエックス線管の電圧を半分に抑えることに成功し、厚さ3ミリ程度のアクリル板で完全に遮蔽できるようにした。量産が可能になり、価格は6分の1に低減。ベリリウムも他の材料に置き換えた。
コロナ放電に比べて狭い設置スペースで確実に静電気を除去できるほか、メンテナンスもしやすいという。コロナ放電からの置き換え需要が期待できるとみて、今月末から液晶製造装置メーカーなど向けにサンプル品の出荷を始める。
価格は1ユニット10万5千円で、10ユニットまで連結して使用できる。
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