コニカミノルタホールディングス傘下で機能性フィルムなどを手がけるコニカミノルタアドバンストレイヤー(AL、東京都日野市、白木善紹社長)は金属を含まない薄膜を使い、赤外線や紫外線を90%以上カットする遮熱フィルムを開発した。窓ガラスに張ると携帯電話などの電波を妨害せずに日差しを遮ることができる。まず自動車向けに実用化し、2013年春に海外で発売する。
開発した「ICE・μ」は厚さ約50マイクロ(マイクロは100万分の1)メートルの樹脂フィルムに、光の屈折率が異なる厚さ数ナノ(ナノは10億分の1)メートルの透明な膜を複数重ねた。一般の可視光線を70%以上透過させつつ、熱の原因となる赤外線を約95%反射し、日焼けの原因となる紫外線の大半を減衰させる。反射膜は金属類を一切含まない。 一般の遮熱フィルムは反射層に金属を含むため、自動車の窓ガラスなどに張ると車内で使う携帯電話などの電波も妨害してしまう課題があった。赤外線の反射率を高めるには金属の比率を増やす必要があるが、可視光線の透過率も下がってしまい、夜間などに視界を妨げる問題もあった。 新製品は反射膜に金属を含まないため電波を妨害しない。異なる屈折率の層の組み合わせで特定の波長の光だけを反射するので、赤外線の反射率を高めても可視光線の7割程度を透過でき視界を妨げない。コニカミノルタが手掛けていた写真フィルムの生産技術を応用でき、安価に大量生産できるという。 まず自動車の窓ガラスに使う遮熱フィルムで実用化する。携帯電話などの通信を妨害しない利点を強調し、中国などアジアの新興国で販売を始める考え。日本や米国などの先進国では、利用者がフロント、サイドのガラスに遮熱フィルムを張ること自体が違法となるケースがあるため、まず自動車メーカーに安全性の検証を働きかける。 コニカミノルタALでは、世界の遮熱フィルムの市場規模が11年の2500億円から20年に3800億円に拡大するとみている。アジアを皮切りに将来は他の新興国や先進国などにも販路を広げるほか、住宅やビルなどの窓ガラス向けなどへの応用を目指す。 |
2013年1月29日火曜日
電波通す遮熱フィルム、コニカミノルタ系、赤外線9割カット。
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