2013年1月23日水曜日

Uアローズ社長竹田光広氏―若年層ブランド開拓



 ――2014年3月期の戦略をどう描くか。

 「挑戦する年にしたい。既存事業をさらに強化するだけでなく、マルチブランド戦略をとっている以上は新事業も必要だ。商品、ブランド、インフラといろいろな意味で(攻めに出る事業基盤が)整ってきた」
 「来期の出店数は今期予定(44店)と同水準を見込む。ビューティー&ユース(BY)、グリーンレーベルリラクシング(GLR)、コーエンが中心だ。既存店でも部門間の連携をさらに深め、レベルを上げる」

 ――新規事業とは。

 「ブランドポートフォリオの空白地帯を狙いたい。例えば若年層。BYに置いていたメンズブランド『モンキータイム』を個別店舗で出したが、当社の特徴であるトラッドを外さず展開する」
 「商業環境の開発にも興味がある。野村不動産と組み、高級マンション向けのクローゼットの受注を始めた。高松市の丸亀町商店街でも、商業施設の屋上庭園を当社のクリエイティブディレクターが監修した。顧客から当社店舗のような空間がほしいとの声がある」

 ――海外事業やブランド企業のM&A(合併・買収)を加速する考えは。

 「海外出店は中長期の課題だ。セレクトショップは世界から商品を調達するノウハウが欠かせない。香港のアパレル企業、アイ・ティーと組んでBYなどを香港や上海に試験展開しているが、十分に市場調査できていない。当社が強みとする接客サービスも海外で担保できないといけない」
 「M&Aはないとはいえない。当社は創業24期目を迎えるが、欧米にも経営の節目とされる30年前後のブランド企業は多い。(事業承継など)同じような課題や意識を持つ企業も多いだろう」

 ――ファッション市場ではネット通販の存在感が増している。

 「店頭売上高に占める電子商取引(EC)比率は11%だ。将来は15%ぐらいを目指したいが、中身が肝心。当社は実店舗とECで顧客の併売率が高く、サービスを共通にしていく。在庫の共有化や新商品の先行予約を始めており、顧客がどこで買うか選べればよい」
 「ECに占める自社サイトの比率は15%だが、出店している他社モールより伸び率が高い。モールと自社サイトでは顧客が異なる。ゾゾタウンが購買ポイントを10%に引き上げた昨年11月以降、目立って自社のサイトや実店舗に影響がないのも客層が異なるからだろう」

 ――消費増税の影響をどうみているか。

 「あまりないと思う。衣料品はものづくりで商品価値を高めて対応すべきだ。全商品のうち約46%ある自社開発商品はさらに増やす。過去の史料や国内外のサンプル品を集めた企画資料室、試作品がその場でできるアトリエを昨年に立ち上げた。そこで試作を重ねた婦人衣料を秋から投入し、顧客の評価を得ている」

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