2013年1月23日水曜日

ライオン社長浜逸夫氏―通販、第3の柱に育成

 ――社長就任から1年が経過したが手応えは。

 「2020年までの経営ビジョン、中期3カ年計画の実行に入った。国内では歯磨き関連のオーラルケアや洗濯用洗剤に経営資源を集中し、新製品も好調。主要ブランドの地位も感触が良い」
 「洗濯用の液体洗剤で昨年7月、衣料を洗うたびに抗菌力が高まる『トップ ハイジア』を発売し、洗浄力で勝負する『トップ ナノックス』、感性に訴える『香りつづくトップ』との3本柱がそろった。超コンパクト液体洗剤は15年に市場の過半を占めると予測され、当社はそこでナンバーワンになり、洗剤全体でもトップを目指す」

 ――海外事業の進め方は。

 「海外売上高は現地通貨ベースで前年比2桁増えている。中間所得層の拡大で、価格が高めでも生活の質が上がる商品が売れている。ただ競合も増えてくるので、国ごとに当社のポジションを明確にすることが重要になる。オーラルケアや洗濯用洗剤を核に、各分野で1、2位を獲得する」
 「特にアジアは国ごとに市場も異なる。成功の確率を上げるには事前の準備をしっかりして、それぞれのやり方で入っていく。流通販路を掌握できるかがカギだ。商品供給力を強化するための生産設備投資も増やす」

 ――通信販売が好調だ。

 「通販は、適度な食事と運動を組み合わせることでダイエット効果が期待できる健康食品『ナイスリムエッセンス ラクトフェリン』を軸に、売上高は11年で62億円。従来は14年に100億円まで引き上げる計画だったが、13年に前倒しできそうだ。通販事業を始めた07年から5年間でこの規模にできたのは、通販業界でも特異だと思う」
 「それでもまだ100億円。13年は次の柱となる商品を出す。生活の質全体を高めるような商品を複数考えており、それぞれ数十億円の売り上げに育てる。通販は国内、海外に続く第3の事業の柱に早く成長させたい」

 ――国内事業の基盤固めについては。

 「国内営業体制を昨年見直した。従来はブランドを育てることを重視して、商品分野ごとに事業部門と営業部門を持っていた。それを事業本部、営業本部としてそれぞれ一つに束ねた。小売業、販売エリアごとにカスタマイズした提案で密着した営業を狙う。単純な価格競争に陥らず、客単価を引き上げ固定客を増やす。こうした取り組みを深めたい」

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