2015年4月17日金曜日

大正銀、トモニと統合発表、「広域金融、最良の選択肢」、吉田社長、「10年後の経営考えた」。

 香川銀行と徳島銀行を傘下に持つトモニホールディングスと大正銀行は10日、2016年4月に経営統合すると正式に発表した。トモニHDの柿内慎市会長と大正銀行の吉田雅昭社長は大阪市内で記者会見し、相乗効果を高めるため大正銀とトモニ傘下2行の合併も含めたグループ再編を検討する方針を示した。会見での一問一答は以下の通り。
 ――統合の背景は。
 柿内氏「四国では人口減少が今後加速度的に起こる。(トモニは)地元での貸し出しシェアが高い分、落ち込みも響く。大阪地区で成長を進めるために我々から(統合を)持ちかけた。まだ決めていないが、徳島銀、香川銀、大正銀が合併すれば相乗効果は大きくなる。合併を含め再編を検討していく」
 吉田氏「地域に密着した金融機能を一層発揮するためには、東瀬戸内海圏にまたがる広域金融機関の一員となるのが最良の選択肢と判断した。両社の基幹システムが共通というベースがあり、トモニの資金調達力にも魅力を感じた」
 ――大正銀はこれまでも統合を考えていたのか。
 吉田氏「他行と話があったかなかったかは一切言わない。私の本音としては、大正銀は単体でも十分生き残っていけると思っている。ただ、金融環境が変化し、10年後どうなるか分からない状況では経営の体力を付ける必要があると考えた」
 ――大阪でどのような戦略を取るか。顧客にとってのメリットは。
 柿内氏「大正銀の店舗網や顧客を生かし、互いの取引先のビジネスマッチングに取り組む。(トモニの)中小企業への融資ノウハウを大正銀に移植し、大阪と地方とのつながりを強くする。企業への貸出金利が下がることはないと思う。出店戦略もこれから協議するテーマになる」
 ――関西のポテンシャルについての見方は。
 柿内氏「関西全体としては落ちつつあるが、地方都市に比べれば高い。大阪にポテンシャルがあるからこそ、周辺府県から進出し、競争が激しくなっている。徳島銀にとってなじみがある製造業や医療・介護分野は行員も営業で訪問しやすい」
 ――統合のコストメリットをどうみる。
 柿内氏「ただちに大きなメリットがあるわけではない。基幹システムは共通だが、(約100ある)サブシステムの一本化に4~5年程度かかる。重複する店舗は少ないため、統廃合や人員整理は一切考えていない」

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