ファーストリテイリングが主力であるユニクロ事業の見直しを急いでいる。国内は2年連続の値上げに踏み切る。画一的な店づくりも地域密着型に変え、デフレ型経営との決別を目指す。「時代に適合して一番良い業態、売り方、商品をやってきた」とする柳井正会長兼社長の最近の発言から、「脱・価格経営」の成否を探る。
いままでユニクロは「チェーンストア」だったが、今後日本の市場が縮むなら「個店経営」に徹しないといけない 3月下旬に開いた「札幌エスタ店」(札幌市)は子供の多い立地にあわせ子供服売り場を広くし、ベビーカーごと入れる試着室も設けた。27日午前9時の開店時には子連れ客など約1000人が殺到。だが通路の幅が広かったことから大きな混雑はなかったという。 子供服売り場の壁は、札幌を拠点とする絵本作家SORAさんのオリジナルイラストで彩った。北海道限定のテレビCMを流し、近隣の飲食店を紹介するチラシも配って地域共存をうたう。 「吉祥寺店」(東京都武蔵野市)は2014年10月の開店時に、吉祥寺に住んでいることで知られる漫画家の楳図かずお氏や近隣の有名店の店主らを広告に起用。店内では広告に協力した店のサービスや地図を展示した。4月には吉祥寺の街を歩いて景観マップをまとめるワークショップや、吉祥寺駅周辺を回るスタンプツアーを開催。「ユニクロ大阪」(大阪市)でも同様の取り組みをしている。コスト増になるが既存店でも今後、地域密着の手法を磨いていく。 付加価値が認められない限り売れない。我々はよりよい品質を目指していきたい 国内のユニクロでは7月から順次発売する秋冬物の新商品を平均10%値上げする。14年の秋冬物に続いて2度目となる。最大の理由は円安による衣料品の調達コストの上昇だ。ウールやカシミヤなど素材の値上がりや、主要な生産地である中国での人件費上昇も響いているという。 柳井氏は「円安もあり日本で売っている商品が世界で一番安い」と言う。例えばブラジャーカップ内蔵の肌着「ブラトップ」の日本での価格は税込み2145円。米国では19・9ドル(約2400円)、中国では149元(約2900円)だ。値上げによる販売への影響は「ないと思う」とする柳井氏。だが既存店の客数は前年を下回っている。新しい戦略が消費者に受け入れられるかどうかは不透明だ。 |
2015年4月17日金曜日
ユニクロ「脱・価格経営」、ファストリ柳井会長、事業見直し急ぐ、国内、「個店経営」磨く。
ラベル:
アパレル
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