2011年6月4日土曜日

車増産にらみ450億円投資、日本精工社長に聞く、今期、成長の大前提崩れず。

 軸受け(ベアリング)国内最大手の日本精工は今年度に前年度比16%増の450億円の積極投資を実施する。最大の顧客である自動車は今年、世界の完成車の組み立て台数が7400万台を超えると予想し、増産態勢を急ぐためだ。11年度は東日本大震災の影響を読み切れず業績見通しの公表を見送ったが、「成長の大前提は崩れていない」と語る同社の大塚紀男社長に戦略を聞いた。
 ――震災が事業計画に与える影響は。
 「3月11日午後2時46分は、まさに11年度の予算審議の最終段階だった。事実上、事業計画は固まっているが、調達先や納入先の状況が不確定なので業績予想の発表は見送った。既に部材調達はメドがつき、納入先の自動車メーカーの操業も日々改善している。供給網が復旧さえすれば、自動車メーカーは一気に生産を拡大する」
 ――市場の成長は続くのか。
 「世界の市場環境に変化はない。例えば世界の自動車生産台数は10年に7200万台を達成したが、今年は7400万から7500万をうかがう勢いだ。産業機械分野も先進国こそリーマン・ショック前の水準まで戻っていないが、新興国需要がけん引し、全体としてはかなり高い」
 「当社の10年度の連結売上高は7104億円と07年度の9割の水準だが、物量ベースでは過去最高。中期計画では最終年度の12年度に世界の自動車生産が7200万台に達すると想定していたので、10年度はめいっぱいの状況だった」
 ――今年度の設備投資は。
 「成長の大前提が崩れていないとみて450億円程度投資する。ただ4~6月期は様子を見て、7~9月期以降に実行する。中国など特定の成長地域や成長商品については前倒しで投資する。例えば中国の仮工場で生産を始めた産業用の大型軸受けは受注が好調。10月に本工場が建設できたら、前倒しで設備を導入して増産体制を敷く」
 「中国市場の成長テンポは速く、10年度の事業規模は1000億円を超える。競争も厳しい中でさらに成長させるには、マネジメント体制の強化が必要。これはもう専務の仕事と判断し、現地トップとして送り込むことを決めた」
 ――震災を機に海外調達の必要性が高まった。
 「海外生産していても、日本から鋼材や部品を送っていたのでは不十分だ。軸受けの場合、欧米や中国、韓国では現地の鋼材メーカーから調達しているが、東南アジアでは実現できていない。中国や韓国の鋼材を使う検討を始めた」

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