2011年6月9日木曜日

全日空・伊東社長に聞く、格安航空で関西を開拓――夏休み、需要回復。

 格安航空会社(LCC)ピーチ・アビエーションを通じ「関西で新たな需要を掘り起こす」――。全日本空輸の伊東信一郎社長は、国際航空運送協会(IATA)総会出席のため訪れたシンガポールで日本経済新聞の取材に応じ、ピーチの事業性に自信を示した。東日本大震災の影響や燃料価格の上昇など経営環境は厳しいが、「国際線については悲観していない。夏には(需要は)戻る」と強調した。主な一問一答は以下の通り。
 ――IATAが航空業界の業績予想を大幅に下方修正した。
 「アジアの需要は伸びていく。震災の影響は大きかったが、3~4月には底を打ち、当社の5月の国際線旅客数は前年比7%増と回復した。日本発のビジネス需要が好調で、海外発も回復に向かっている。残るは日本のレジャー需要だが、夏休みをきっかけに確実に戻るだろう。今年度300億円のコスト削減を実施し、黒字を確保したい」
 ――ピーチの国際展開は。
 「当面は国内線とソウル行きだが、関西国際空港から中国など片道4~5時間圏内にも展開する。世界中でLCCが従来飛行機に乗らなかった層という新たな需要を掘り起こしたように、約2千万人の関西市場で新セグメントを開発したい」
 ――シンガポール航空は中長距離のLCCを立ち上げる。
 「長距離のLCCはまだ実績が少ないので注目している。日本に飛ぶのか、使用機材は何かなど、興味ある。シンガポール航空は競争相手であり、航空連合スターアライアンスの仲間だ。アライアンスは進化しており、(同連合のユナイテッド航空らと開始したような)共同事業を、シンガポール航空などアジア勢と始めることもあり得る」

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