三越伊勢丹ホールディングスの石塚邦雄社長は16日の取材で「2016年3月期に営業利益500億円を目指す」と語った。インタビューの要旨は以下の通り。
--震災後の販売動向は。
「4月以降の国内百貨店の売上高は計画を上回っている。東京都心部はやや落ち込んでいるが、首都圏の郊外店舗が好調だ。震災後に都心に出ることを控え、近場で買い物をする人が増えているようだ。一方でクールビズ関連やギフトが伸びている。海外百貨店の業績も上向いている」
--12年3月期の業績見通しは震災影響を織り込んでいない。
「今期の売上高は前期比1%増の1兆2300億円、営業利益は46%増の160億円を見込むが、夏場の節電など先行き不透明感が強いため慎重に考えたい。4~6月期の決算発表時に売上高と営業利益を若干下方修正する可能性がある」
--成長への投資は。
「伊勢丹新宿本店は12年に第1期の改装を終えたい。婦人服と雑貨が中心になる。13年には三越日本橋本店を改装したい」
--経費削減も急務だ。
「前期までの3年間で販売費・一般管理費を400億円以上減らした。今後3年間でさらに200億円圧縮する。物流コスト圧縮や賃借物件の家賃見直し、定年退職による人件費削減が中心になる。希望退職は避けたい」
--14年3月期の営業利益は今期予想の2倍の300億円を目指しているが中長期の目標は。
「16年3月期は500億円に高めたい。国内では仕入れ構造の改革や経費圧縮を進めて、収益力を高めたい。海外でも新規出店を含む事業拡大を進めて、利益を大幅に増やしたい」
--今期の配当予想が未定だ。
「前期は7円だったが、12年3月期は増益を確保して、10円に戻したいという強い意志を持っている」
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